インターネットの一時的なブームが去るとともに、このところオンラインショップに対する失望感が広がっています。思ったほど儲からないというのが、その原因のようです。たしかにオンラインショップだけで食っていけるほど儲かっているところは、全体からみればほんのわずかでしょう。しかし、だからといってオンラインショップが割に合わないと結論づけるのはまだ早すぎるのではないでしょうか。私がみるところ、オンラインショップのページは、その多くが素人の域を出ていないように思います。そして素人商売であるということを裏返していえば、そこにはまだ工夫の余地があるということにほかなりません。いくらヴァーチャル市場が画期的なものであったとしても、素人商売が成功するほど甘いものではないはずです。したがってきちんとしたノウハウさえ導入すれば、売上はまだまだ伸びるというのが私の考えです。
そもそもオンラインショップは、一度でも体験された方ならおわかりになると思いますが、本当に便利なものです。自宅にいながらパソコンの操作だけで世界中から欲しい商品が買えるのですから、これはもうデパートが出現した時以上の革命的な出来事といえるでしょう。もっとも現状では、インターネットへのアクセスの難しさや手間、決済上の問題、高い電話料金、さらにパソコン自体の操作性の問題などもあり、使いやすさや手軽さの面では、通販カタログに到底太刀打ちできるものではありません。しかし、こうした問題のほとんどは本質的に技術的な問題であり、技術が進歩すればいずれも解決可能な問題ばかりだということを忘れてはなりません。そしてインターネットの進歩は、1年が7年にも匹敵するといわれるように他のどの分野よりもダイナミックで早いのです。
またオンラインショップには、他にも多くのメリットがあります。その最たるものが、インタラクティブ性(コミュニケーションの双方向性)であることはいうまでもありませんが、ここでは、もうひとつ別のメリットを挙げてみましょう。それは、いわゆる「密室の消費」であることです。一般に人は買い物を楽しむ反面、その姿を人に見られることを嫌う性向があります。「そんな馬鹿な」と反論されるかもしれませんが、これは流通に関わる専門家の間では常識となっている事実です。試みにスーパーのレジに並んでいる人の表情を観察してみてください。子供を除いてほとんどの人がしかめ面とまでいかなくとも、大体において固い表情をしているはずです。もちろん、かれらにしても買い物自体は楽しいと感じているのですが、その姿を人に見られるのは、どこか気恥ずかしさを感じるものなのです。このあたりは自分自身の体験に照らし合わせてみれば、たいていの人がうなずかれるのではないでしょうか。そのため、なかにはわざわざレジの位置が目立たないように工夫しているスーパーもあるほどです。その点、オンラインショップなら、誰の目も気にすることなく自宅にいながら商品を買うことができるのです。そしてこれはオンラインショップの大きな強みといえるでしょう。
さらに現在、インターネットにアクセスしている人たちの層をみると、20代から30代の理科系の男性が中心となっています。これはマーケットとしてみた場合、かなり片寄った市場であり、しかも規模からいってもまだそれほど大きなものではありません。しかし、今後インターネットが一般家庭のすみずみにまで普及するようになれば、そこに生まれるサイバー市場は、今よりずっと大きく、より一般的なものとなることは間違いありません。もっともそれは現実の市場よりかなり細分化された「超分衆」市場であることが予想されますので、現在の肥大化した大企業にとってもうまみのある市場となるかどうかは保証の限りではありません。しかし、少なくとも中小、零細企業や個人にとっては十分に採算の採れる市場であることは容易に想像がつきます。したがってオンラインショップはまさにこれからが本番といえるでしょう。さああなたも勇気と信念を持ってオンラインショップにチャレンジしてみてください!
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主な参考文献
『「売る」広告』(デビッド・オグルビー著/松岡茂雄訳/誠文堂新光社/1985)
『ダイレクト・メールDMの正しい使い方・作り方』(深山一郎著/学研/1989)
『テストされた広告法』(ジョン・ケープルス著/殖栗文夫訳/実業之日本社/1954)
『広告コピー概論』(植条則夫著/宣伝会議/1993) |